2007年5月1日～5月31日に発生した相似地震について， 図1左では，その地震が所属するグループの位置（橙色丸）， 図1右では，そのグループの地震の積算すべり量（プレート境界でのすべりの時間発展）を示した．今月は15グループで相似地震が新たに抽出された．深さ70km以浅、M4以上の地震活動（星印）をみると, 5/19に青森県東方沖でM5.3の地震が見られる．この地震は震源メカニズムと深さからプレート境界の地震と考えられる．そのほかは、M4クラスの地震である．関東地方では，フィリピン海プレート上面でも相似地震が見られるが、 No.1014はその深さからフィリピン海プレート上の地震であると考えられる．この地震は同じくフィリピン海プレート上の地震であると考えられるM4.5の地震（星印,No.1014の下）の5日後に発生している．

図1

（左）2007年5月に発生した相似地震の位置（橙色丸）, M4以上で70km以浅の地震の位置（黄色星）及びこの期間には地震を起こさなかった相似地震発生位置（青白抜き丸）．解析領域は太線で囲んだ領域で，解析期間は1984年（41.5°N以北および36.5°N以南は1992年）～2007年5月31日．
（右）2007年5月に地震が発生した相似地震グループの積算すべり．方法は，内田・他(2004)と同様．
相似地震の抽出には，東北大学，北海道大学，弘前大学，東京大学の観測点の波形を用いた．震源は気象庁による．

（2007.6.12 文責：内田）