2007年4月1日～4月30日に発生した相似地震について， 図1左では，その地震が所属するグループの位置（橙色丸）， 図1右では，そのグループの地震の積算すべり量（プレート境界でのすべりの時間発展）を示した．今月より，関東地方（35.0°N 以北）まで相似地震のモニタリング領域を広げた．関東地方では，太平洋プレート上のみならず，フィリピン海プレート上でも相似地震が発生しているが，今月関東地方の沖合いで発生した相似地震はその深さから太平洋プレート上面の地震であると考えられる．また今月のM5以上の地震は，襟裳岬の東（黄色星印）でM5.2の地震が起きたのみであった．

図1

（左）2007年4月に発生した相似地震の位置（橙色丸）, M4以上で70km以浅の地震の位置（黄色星）及びこの期間には地震を起こさなかった相似地震発生位置（青白抜き丸）．解析領域は太線で囲んだ領域で，解析期間は1984年（41.5°N以北および36.5°N以南は1992年）～2007年4月30日．
（右）2007年4月に地震が発生した相似地震グループの積算すべり．方法は，内田・他(2004)と同様．
相似地震の抽出には，東北大学，北海道大学，弘前大学，東京大学の観測点の波形を用いた．震源は気象庁による．

（2007.5.10 文責：内田）