石川県珠洲市高屋地区 地震観測成果報告会[2025/4/22]
2025年4月22日,東北大学が臨時地震観測点を設置している石川県珠洲市高屋地区において,地震観測成果報告会を行いました。
岡田知己教授,平原 聡・木村 洲徳 両技術職員が参加し,高屋地区の住民の皆さまと,地震観測の現状とこれまで得られた研究成果について活発な議論を行いました。
在日南アフリカ共和国大使館のジェピー公使がセンターを訪問されました.[2025/3/3]
3月3日に,在日南アフリカ共和国大使館のジェピー公使(科学イノベーション教育担当)が当センターに来訪され,当センターの矢部康男准教授,流体科学研究所の伊藤高敏教授と椋平祐輔助教,環境科学研究科坂口清敏准教授との懇談の後,施設見学をされました.
懇談では,矢部准教授が中心となり,7か国14名の研究者が共同で,国際陸上科学掘削計画(International Continental Scientific Drilling Program, ICDP)に提案している,南アフリカでの新たな科学掘削計画PROTEA(Probing the heart of an earthquake and life in the deep subsurface)を紹介しました.また,東北大学をはじめとした日本で開発された岩盤工学技術を南アフリカの大深度金鉱山およびシェールガス開発プロジェクトに実装するためのコンソーシアム構想について説明しました.これらに対して,公使より,「日本と南アフリカの学術および技術交流を通じた,南アフリカの産業振興および次世代の育成に期待する」との趣旨の発言がありました.
施設見学後の記念写真. 左から,坂口准教授,伊藤教授,ジェピー公使,矢部准教授,椋平助教,海田技術職員
日本列島下の全マントル構造とマントル流れ場の高精度推定に成功
―大規模地震や火山噴火の根本理解に一歩―[2025/3/7]
日本とその周辺地域では、複雑なプレート沈み込み帯が形成されており、大規模な地震や火山噴火が頻繁に発生しています。地震や噴火は地下構造と密接に関連していますが、従来の地下構造研究は上部マントル(深さ660 km以浅)に特化したものがほとんどで、下部マントル(深さ660~2889 km)も含めた全マントル構造の詳細な推定を行った研究はありませんでした。
東北大学大学院理学研究科 附属地震・噴火予知研究観測センターの豊国源知助教と趙大鵬教授、高田大輔大学院生(研究当時)の研究グループは、最先端の地下構造推定手法を用いて、本地域下の全マントル3次元構造を初めて高精度で推定しました。この結果、千島弧における巨大噴火は、マントル深部からエネルギー供給を受けて発生している可能性が見いだされました。
またマントルの流れを可視化できる手法を開発し、本地域下の全マントル流れ場も世界で初めて高精度で推定しました。この結果、本地域下に沈み込んだ太平洋プレートが、複数のブロックに分かれて間欠的に下部マントルに沈み込んでいることが明らかとなりました。
本成果は3月1日、米国地球物理学連合(AGU)の科学誌Journal of Geophysical Research: Solid Earthにオンライン掲載されました。