2009年2月の相似地震活動

2009年2月1日~2月28日に発生した相似地震について, 図1左では,その地震が所属するグループの位置(橙色丸), 図1右では,そのグループの地震の積算すべり量(プレート境界でのすべりの時間発展)を示した.今月は25グループで相似地震が新たに抽出された.このうち北海道の内陸のNo4の相似地震は,約1時間という短い間隔で発生した内陸の浅い地震であり,プレート境界のすべりを表していると考えられるほとんどの相似地震とは異なる.相似地震活動は、青森県東方沖と福島~茨城県沖で活発に見える.深さ70km以浅,M4以上の地震活動(星印)をみると, 最大地震は,岩手県沖のM5.9(2/15)であった.メカニズム解や深さからプレート境界の地震と考えられるが,周囲で今月相似地震は発生していない.

図1

(左)2009年2月に発生した相似地震の位置(橙色丸), M4以上で70km以浅の地震の位置(黄色星)及びこの期間には地震を起こさなかった相似地震発生位置(青白抜き丸).解析領域は太線で囲んだ領域で,解析期間は1984年(41.5°N以北および36.5°N以南は1992年)~2009年2月28日. (右)2009年2月に地震が発生した相似地震グループの積算すべり.方法は,内田・他(2004)と同様 相似地震の抽出には,東北大学,北海道大学,弘前大学,東京大学の観測点の波形を用いた.震源は気象庁による.

(2009.3.12 文責:内田)