2009年1月の相似地震活動

2009年1月1日~1月31日に発生した相似地震について, 図1左では,その地震が所属するグループの位置(橙色丸), 図1右では,そのグループの地震の積算すべり量(プレート境界でのすべりの時間発展)を示した.今月は18グループで相似地震が新たに抽出された.深さ70km以浅,M4以上の地震活動(星印)をみると, 最大地震は,福島県沖海溝寄りのM5.0(1/6)であった.海溝近い相似地震は、引き続き宮城県沖と茨城県沖に見られる.これらの相似地震の近傍では、昨年12月にそれぞれ、M6.1, M6.6の地震が発生している.関東地方の相似地震のうち,No.1081, 1153はその深さからフィリピン海プレート上面の地震と考えられる。

図1

(左)2009年1月に発生した相似地震の位置(橙色丸), M4以上で70km以浅の地震の位置(黄色星)及びこの期間には地震を起こさなかった相似地震発生位置(青白抜き丸).解析領域は太線で囲んだ領域で,解析期間は1984年(41.5°N以北および36.5°N以南は1992年)~2009年1月31日.
(右)2009年1月に地震が発生した相似地震グループの積算すべり.方法は,内田・他(2004)と同様.
相似地震の抽出には,東北大学,北海道大学,弘前大学,東京大学の観測点の波形を用いた.震源は気象庁による.

(2009.2.15 文責:内田)