2008年12月の相似地震活動

2008年12月1日~12月31日に発生した相似地震について, 図1左では,その地震が所属するグループの位置(橙色丸), 図1右では,そのグループの地震の積算すべり量(プレート境界でのすべりの時間発展)を示した.今月は28グループで相似地震が新たに抽出された.深さ70km以浅,M4以上の地震活動(星印)のうち最大のものは, 茨城県沖のM6.6の地震(12/20)であった.そのほかにも宮城県沖でM6.1の地震(12/4)が発生した.相似地震活動はこの2つのM6クラスの地震の周辺で多く,余効すべりにより活発化したと考えられる.

図1

(左)(左)2008年12月に発生した相似地震の位置(橙色丸), M4以上で70km以浅の地震の位置(黄色星)及びこの期間には地震を起こさなかった相似地震発生位置(青白抜き丸).解析領域は太線で囲んだ領域で,解析期間は1984年(41.5°N以北および36.5°N以南は1992年)~2008年12月31日.
(右)2008年12月に地震が発生した相似地震グループの積算すべり.方法は,内田・他(2004)と同様
相似地震の抽出には,東北大学,北海道大学,弘前大学,東京大学の観測点の波形を用いた.震源は気象庁による.

(2009.01.07 文責:内田)