2008年11月の相似地震活動

2008年11月1日~11月30日に発生した相似地震について, 図1左では,その地震が所属するグループの位置(橙色丸), 図1右では,そのグループの地震の積算すべり量(プレート境界でのすべりの時間発展)を示した.今月は16グループで相似地震が新たに抽出された.深さ70km以浅,M4以上の地震活動(星印)のうち最大のものは, 北海道東方沖(釧路沖)のM5.2の地震(11/22)であった.この付近では先月から相似地震活動が比較的活発に見える。福島~茨城県沖と北海道南東沖(襟裳岬沖)でも引き続き相似地震活動がみられる.関東地方の相似地震のうちNo.1131はその深さからフィリピン海プレート上の相似地震と見られる。

図1

(左)2008年11月に発生した相似地震の位置(橙色丸), M4以上で70km以浅の地震の位置(黄色星)及びこの期間には地震を起こさなかった相似地震発生位置(青白抜き丸).解析領域は太線で囲んだ領域で,解析期間は1984年(41.5°N以北および36.5°N以南は1992年)~2008年11月30日.
(右)2008年11月に地震が発生した相似地震グループの積算すべり.方法は,内田・他(2004)と同様
相似地震の抽出には,東北大学,北海道大学,弘前大学,東京大学の観測点の波形を用いた.震源は気象庁による.

(2008.12.20 文責:内田)