2008年6月の相似地震活動

2008年6月1日~6月30日に発生した相似地震について、図1左では,その地震が所属するグループの位置(橙色丸)、図1右では、そのグループの地震の積算すべり量(プレート境界でのすべりの時間発展)を示した。今月は27グループで相似地震が新たに抽出された。そのうちの11グループは、茨城県の沖合いに集中している。茨城県沖では、2008年5月7日にM7.0のプレート境界地震が発生しており、この活動の活発化は,この地震の余効すべりによるものであると考えられる。深さ70km以浅、M4以上の地震活動(星印)をみると、 東北地方内陸の岩手・宮城県境付近で多くの地震がみられるが、これは、平成20年(2008年)岩手・宮城内陸地震(内陸の浅い地震)およびその余震である。

図1

(左)2008年6月に発生した相似地震の位置(橙色丸)、 M4以上で70km以浅の地震の位置(黄色星)及びこの期間には地震を起こさなかった相似地震発生位置(青白抜き丸)。解析領域は太線で囲んだ領域で、解析期間は1984年(41.5°N以北および36.5°N以南は1992年)~2008年6月30日。
(右)2008年6月に地震が発生した相似地震グループの積算すべり。方法は、内田・他(2004)と同様。
相似地震の抽出には、東北大学、北海道大学、弘前大学、東京大学の観測点の波形を用いた。震源は気象庁による。

(2008.7.9 文責:内田)