2008年1月1日～1月31日に発生した相似地震について， 図1左では，その地震が所属するグループの位置（橙色丸）， 図1右では，そのグループの地震の積算すべり量（プレート境界でのすべりの時間発展）を示した．今月は24グループで相似地震が新たに抽出された．深さ70km以浅、M4以上の地震活動（星印）をみると, 岩手県沖で、M4.7の地震が見られる。この地震は、この解析で見つかっている繰り返し地震よりも、規模の大きな繰り返し地震と考えられている（2008年1月11日　岩手県釜石沖の地震（M4.7）の特集ページ参照）。昨年12/25にM5.6の地震があった宮城県沖では、1/10にNo.651で相似地震が発生した。

図1

（左）2008年1月に発生した相似地震の位置（橙色丸）, M4以上で70km以浅の地震の位置（黄色星）及びこの期間には地震を起こさなかった相似地震発生位置（青白抜き丸）．解析領域は太線で囲んだ領域で，解析期間は1984年（41.5°N以北および36.5°N以南は1992年）～2008年1月31日．
（右）2008年1月に地震が発生した相似地震グループの積算すべり．方法は，内田・他(2004)と同様．
相似地震の抽出には，東北大学，北海道大学，弘前大学，東京大学の観測点の波形を用いた．震源は気象庁による．

（2008.2.12 文責：内田）