2006年7月1日～7月31日に発生した相似地震について， 図1左では，その地震が所属するグループの位置（橙色丸）， 図1右では，そのグループの地震の積算すべり量（プレート境界でのすべりの時間発展）を示した．今月は11グループで相似地震が新たに抽出された．グループ350および351で発生した相似地震は、7月6日に発生したM5.4の地震のごく近傍で発生した（No351の橙色丸の下にM5.4の地震を示す星印が隠れている）．このM5.4の地震はメカニズム解からプレート境界地震と考えられる.グループ350（M2.6）及びグループ351（M3.9）の相似地震が発生したのは、この地震のそれぞれ10時間後及び2日後であった. 一方，グループ368の相似地震が発生したのはM5.4の地震の2日前であった.

図1

（左）2006年7月に発生した相似地震の位置（橙色丸）, M4以上で70km以浅の地震の位置（黄色星）及びこの期間には地震を起こさなかった相似地震発生位置（青白抜き丸）．解析期間は1984年（41.5°N以北は1992年）～2006年7月31日．（右）2006年7月に地震が発生した相似地震グループの積算すべり．方法は，内田・他(2004)と同様．相似地震の抽出には，東北大学，北海道大学，弘前大学，東京大学の観測点の波形を用いた．震源は気象庁による．

（2006.8.9 文責：内田）