2006年4月の相似地震活動

2006年4月1日~4月30日に発生した相似地震について, 図1左では,その地震が所属するグループの位置を橙色丸で示し, 図1右では,そのグループの地震の積算すべり量(プレート境界でのすべりの時間発展を示す)を示した.今月は9個の相似地震が新たに抽出された.そのうち5つ(グループ534-611)は普段は相似地震が少ない三陸沖の日本海溝側で発生している.なお、これらの地震の周辺(38.0-39.8N, 142.0-144.5E) では今月特に大きな地震は発生しておらず, 最大地震は,38.26N,143.53EのM4.2の地震,2番目に大きな地震はグループ534の地震(M4.1)であった.

図1

(左)2006年4月に発生した相似地震の位置(橙色丸)及びこの期間には地震を起こさなかった相似地震発生位置(青白抜き丸).解析期間は1984年(41.5°N以北は1992年)~2006年4月30日.
(右)2006年3月に地震が発生した相似地震グループの積算すべり.方法は,内田・他(2004)と同様.
相似地震の抽出には,東北大学,北海道大学,弘前大学,東京大学の観測点の波形を用いた.震源は気象庁による.

(2006.5.10 文責:内田)