2006年3月1日～3月31日に発生した相似地震について， 図1左では，その地震が所属するグループの位置を橙色丸で示し， 図1右では，そのグループの地震の積算すべり量（プレート境界でのすべりの時間発展を示す）を示した．今月は15個の相似地震が新たに抽出された．グループ12では，2004年5月→（10ヶ月）→2005年3月→（2ヶ月）→2005年5月→（10ヶ月）→2006年3月と、これまで5月と3月に相似地震が発生している．グループ162-174は，3/18-31にかけて近接した場所で発生した．グループ621で発生した相似地震はM4.1と比較的規模が大きく，Yamanaka and Kikuchi (2004)による 1978年宮城県沖地震のアスペリティのうち南西のアスペリティの近傍に位置する．

図1

（左）2006年3月に発生した相似地震の位置（橙色丸）及びこの期間には地震を起こさなかった相似地震発生位置（青白抜き丸）．解析期間は1984年（41.5°N以北は1992年）～2006年3月31日．
（右）2006年3月に地震が発生した相似地震グループの積算すべり．方法は，内田・他(2004)と同様．
相似地震の抽出には，東北大学，北海道大学，弘前大学，東京大学の観測点の波形を用いた．震源は気象庁による．

（2006.4.14 文責：内田）