2005年12月の相似地震活動

2005年12月1日~12月31日に発生した相似地震について, 図1左では,その地震が所属するグループの位置を橙色丸で示し, 図1右では,そのグループの地震の積算すべり量(プレート境界でのすべりの時間発展を示す)を示した. 今月は12個の相似地震が新たに発生した.グループ19と63で発生した地震はそれぞれ,2004年11月29日のM7.1の地震及び,2003年十勝沖地震(M8.0)の余効すべり に関連したものと考えられる.グループ178では,1993年前後からすべりレートが大きいように見えるが, これは1993年以前についてこの場所が解析領域の端にあたり,相似地震の抽出に抜けがあることによるみかけのものである. 227番以降の相似地震グループで今月発生した相似地震には,顕著なすべりレートの時間変化に関連したものはなさそうである.

図1

(左)2005年12月に発生した相似地震の位置(橙色丸)及びこの期間には.地震を 起こさなかった相似地震発生位置(青白抜き丸). 解析期間は1984年(41.5°N以北は1992年)~2005年12月31日.(右)2005年12月に地震が発生した相似地震 グループの積算すべり. 方法は,内田・他(2004)と同様.相似地震の抽出には,東北大学,北海道大学,弘前大学,東京大学の観測点の波形を用いた.震源は気象庁による.

(2006.1.13 文責:内田)