2005年10月の相似地震活動

2005年10月1日~10月31日に発生した相似地震について, 図1左では,その地震が所属するグループの位置を橙色丸で示し, 図1右では,そのグループの地震の積算すべり量(プレート境界でのすべりの時間発展を示す)を示した. グループ123は2003年十勝沖地震(M8.0),グループ21, 35 は2004年11月29日のM7.1の地震の後,短い間隔で 相似地震が発生(プレート境界でのすべり速度が速いことを示す)している.グループ519についてはは20年以上の間隔をおいて相似地震となっているが、 2つの地震の間に抽出に失敗している相似地震がある可能性もある. 2005年8月16日にM7.2のプレート境界地震が発生した宮城県沖ではその震源近傍で相似地震は見られない.

図1

(左)2005年10月に発生した相似地震の位置(橙色丸)及びこの期間には.地震を起こさなかった相似地震発生位置(青白抜き丸).解析期間は1984年(41.5°N以北は1992年)~2005年11月1日.
(右)2005年10月に地震が発生した相似地震グループの積算すべり.方法は,内田・他(2004)と同様.
相似地震の抽出には,東北大学,北海道大学,弘前大学,東京大学の観測点の波形を用いた.

(2005.11.08 文責:内田)