2005年9月の相似地震活動

2005年9月1日~9月31日に発生した相似地震について, 図1左では,橙色丸で示し,図1右で,積算すべりを示した.2005年8月16日にM7.2のプレート境界地震が発生した宮城県沖ではその震源近傍で相似地震は見られない. グループ11は2004年11月29日にM7.1の地震の震源に近い場所に位置し,2004年前後から見られる積算すべりの増加はこの地震の余効すべりを表していると考えられる.グループ186では,1986-1988,1998-2005の間の再来間隔は,1年~1年2ヶ月の間でほぼ一定している.このグループの平均のマグニチュードは2.55であり,解析対象とする地震のマグニチュードの下限である2.5に近い.再来間隔が長い部分は,マグニチュードの下限を下回った地震であったため,相似地震として抽出できなかった可能性が考えられる.グループ720に属する相似地震のマグニチュードは4.6と4.5で抽出されている相似地震のうち最大クラスのもののうちの1つである.

図1

(左)2005年9月に発生した相似地震の位置(橙色丸)及びこの期間には.地震を起こさなかった相似地震発生位置(青白抜き丸).解析期間は1984年(41.5°N以北は1992年)~2005年10月1日.
(右)2005年9月に地震が発生した相似地震グループの積算すべり.方法は,内田・他(2004)と同様.

(2005.10.06 文責:内田)