2005年2月の相似地震活動

2005年2月1日〜2月28日に発生した相似地震について, 図1左では,橙色丸で示し,図1右で,積算すべりを示した. 9個の相似地震のうち,6つは北海道南東沖で発生しており, 2003年十勝沖地震以降のこの地域でのプレート間準静的すべりの加速を反映していると考えられる. 4〜11番のグループが存在する領域には, 2004年11月29日にM7.1の地震が発生しており, その余効すべりにより最近特に活動が活発であると考えられる.
一方,東北地方太平洋下では,目立った活動は見られない. 岩手県沖の3つの地震(303, 315, 338)は,これまでの活動を見ると ほぼ直線的に積算すべりが増加しており,定常的なすべりを反映したものと考えられる.

図1

(左)2005年2月に発生した相似地震の位置(橙色丸)及びこの期間には.地震を 起こさなかった相似地震発生位置(青白抜き丸). 解析期間は1984年(一部1992年)〜2005年2月28日.
(右)2005年2月に地震が発生した相似地震 グループの積算すべり. 方法は,内田・他(2004)と同様

(2005.4.1 9.19 修正 文責:内田)