沿革

 本センターの歴史は,1912年(大正元年)に設置された理科大学附属観象所に始まります。仙台市向山に設置され,地震観測を始めとして,気象観測などが開始されましたが,1931年(昭和6年)には仙台市八木山に移転し,1952年(昭和27年)には理学部附属地震観測所と名称が改められました。さらに,1967年(昭和42年)には現在地の青葉山に移転し,青葉山地震観測所となりました。
 また,1965年(昭和40年)から始まった地震予知研究計画の一環として,秋田地殻変動観測所(1965年,昭和40年),本荘地震観測所(1966 年,昭和41年),三陸地殻変動観測所(1967年,昭和42年),北上地震観測所(1969年,昭和44年)が理学部附属施設としてあいついで発足し,東北地方各地に微小地震や地殻変動の連続観測施設が設置されました。これらの多くの観測所からのデータを,テレメターを利用し,集中記録するとともに一括処理・解析して研究をより効果的に推進するために,1974年(昭和49年)には,青葉山地震観測所に隣接して,理学部附属地震予知観測センターが設置されました。
 一方,本センターは火山噴火予知研究計画にも参加し,1977年(昭和52年)に火山活動移動観測班を設置するとともに,1979年(昭和54年)以降,岩手山・秋田駒ヶ岳・秋田焼山・鳥海山・蔵王山・吾妻山・安達太良山・磐梯山などに広域火山観測網を整備しました。このような火山観測網の観測データに基づいて本センターは火山噴火予知の研究にも貢献してきました。
 さらに,地震予知および噴火予知研究の一層の推進を計って,1987年(昭和62年)には青葉山地震観測所と地震予知観測センターとを統合して,理学部附属地震予知・噴火予知観測センターに改組しました。また,1989年(平成元年)には秋田地殻変動観測所と本荘地震観測所とを統合して,理学部附属日本海地域地震火山観測所に,1991年(平成3年)には三陸地殻変動観測所と北上地震観測所とを統合して,三陸地域地震火山観測所にそれぞれ改組しました。
 近年めざましく進歩した通信技術を観測網のデータ伝送や研究資料の管理に取り入れることにより,研究環境 の一層の充実を計って,1997年(平成9年)に は地震予知・噴火予知観測センター,日本海地域地震火山観測所,三陸地域地震火山観測所の3施設を統合改組して,理学部附属地震・噴火予知研究観測センターが発足しました。さらに,1998年(平成10年)には,東北大学大学院理学研究科附属地震・噴火予知研究観測センターへと転換しました。
 本センターは,測地学審議会による地震予知計画と火山噴火予知計画に基づいて設置されています。その目的は,地震予知および火山噴火予知手法の確立を目指して,固体地球物理学全般にわたる観測研究を推進するとともに,学生の教育に資することです。

年表

1912年 大正元年 向山観象所竣工(仙台市向山)
1931年 昭和6年 向山観象所,仙台市八木山に移転
1952年 昭和27年 理学部附属地震観測所と改称
1964年 昭和39年 測地学審議会第1次地震予知計画を建議
1965年 昭和40年 秋田地殻変動観測所設置
1966年 昭和41年 本荘地震観測所設置
極微小地震移動観測班設置
1967年 昭和42年 地震観測所,八木山から現在地青葉山に移転,青葉山地震観測所と改称
三陸地殻変動観測所設置
1969年 昭和44年 北上地震観測所設置
1973年 昭和48年 測地学審議会第1次火山噴火予知計画を建議
1974年 昭和49年 地震予知観測センター設置
1977年 昭和52年 火山活動移動観測班設置
地震予知総合移動観測班設置
1987年 昭和62年 地震予知観測センターと青葉山地震観測所を統合し,地震予知・噴火予知観測センターを設置
1989年 平成元年 秋田地殻変動観測所と本荘地震観測所を統合し,日本海地域地震火山観測所を設置
1991年 平成3年 北上地震観測所と三陸地殻変動観測所を統合し,三陸地域地震火山観測所を設置
1997年 平成9年 地震予知・噴火予知観測センターと日本海地域地震火山観測所, 三陸地域地震火山観測所を統合し,地震・噴火予知研究観測センターを設置
1998年 平成10年 理学研究科附属地震・噴火予知研究観測センターに転換
2012年 平成24年 地震・噴火予知研究観測センター 開所百周年
2015年 平成27年 東北大学地震・地殻変動観測網 設立50周年

センターの歴史

向山観象所[1912年〜1931年]

向山地震観測所[1931年〜1967年]

青葉山地震観測所[昭和42年10月]


地震予知観測センター[昭和61年7月]

1970年頃の集合写真