長期的なプレート間変位の一部を担うプレート境界の非地震性すべりは,大地震の発生機構と密接に関係していると考えられる.
本研究では,M9の東北地方太平洋沖地震前後の
約30年にわたる非地震性すべりの時空間変化を推定し
,震源域周辺で
本震前の3年程度に固着が弱い状態であったこと(図右上),
本震後に地震時すべり域ですべりが停止(図右上)し,周囲で大きな余効すべりが発生したこと(図右下)を明らかにした.
これらは,地震時すべり域内外での摩擦特性の違いや,本震によるすべり域での応力解放を表していると考えられる.
右図/プレート境界での地震時すべり分布の模式図(左)と推定された地震時すべり領域(ピンク)およびその外側(水色)での非地震性すべりの積算量の推移(右).
地震時すべり域ではM9地震前にすべりが見られるのに対し,その外側ではM9地震後に大きなすべりが見られる.
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