関東地方の上盤プレートの違いによる太平洋プレート上面カップリング率の変化について
Uchida, N., J. Nakajima, A. Hasegawa, and T. Matsuzawa, What controls interplate coupling?: Evidence for abrupt change in coupling across a border between two overlying plates in the NE Japan subduction zone, Earth Planet. Sci. Lett., 283, 111-121, 2009
上盤プレートが異なる,東北沖から関東沖のプレート境界について,地震の滑りベクトルから, フィリピン海プレート(PHS)の北東縁の位置を推定した.次に,小繰り返し地震の積算すべりから, 太平洋プレート上面のプレート間固着が,上盤が北米プレートである北で大きく,PHSである南で小さいことを明らかにした. さらに,地震波トモグラフィから,その原因が上盤プレートマントル最下部の蛇紋岩化にあると推定した.
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[論文PDF],[図のPDF][フィリピン海プレート北東限データ(text)][関東地方太平洋プレート上の地震西縁(text)]
データ等ご使用の場合は論文を引用してください。
左図/プレート境界地震のすべりベクトル(矢印)とフィリピン海プレートの北東限(破線). 右図/の太平洋プレート上面のカップリング率(カラー).

2003年十勝沖地震による余効すべりと2004年M7.1の地震について
Uchida, N., S. Yui, S. Miura, T. Matsuzawa, A. Hasegawa, Y. Motoya, and M. Kasahara, Quasi-static slip on the plate boundary associated with the 2003 M8.0 Tokachi-oki and 2004 M7.1 off-Kushiro earthquakes, Japan, Gondwana Research, 16, 527-533, 2009
2003年M8.0 十勝沖地震前後の準静的滑りの時空間分布を,13年間の小繰り返し地震及び8ヶ月間のGPSデータから推定した. 十勝沖地震前のアスペリティ周囲の滑りレートは,長い間小さかったが,3年前から小さな加速が地震時滑り域の深部延長で見られた. また,本震後,その東方で大規模な余効滑りが生じたことが明らかになった. 2004年釧路沖地震(M7.1)はこの余効滑りにより早められた可能性がある.
右図/小繰り返し地震から推定したすべりレートの時空間変化(カラー)とGPSデータから推定した余効すべり(赤コンター).
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[論文PDF],[図のpdf]