電磁気観測

比抵抗構造と余震分布

余震(○)の分布と広帯域MT法探査測線(緑破線)。■MT観測点、▲は第四紀火山、☆は地殻深部低周波地震の活動域を表す。

2008年6月14日岩手・宮城内陸地震(M7.2)の震源域は火山フロントに沿って分布する地殻深部低周波地震の震央が分布する地域です。東北大学によって行われた、この低周波地震の震源域の比抵抗構造の研究(三品,2006)のための3本の広帯域MT法探査測線が、左図のように余震域の北端、中央、南端をそれぞれ通っています。それぞれの測線近傍の余震の震源を比抵抗断面図に重ね合わせると、下の図のようになります。どの測線でも余震は高比抵抗域に発生していることがわかります。
なお、余震の震源は気象庁一元化震源(6月14日から6月17日)を使用しました。
(以上, 文責:三品)

栗駒山測線の比抵抗断面と本震・余震の震源分布。上部の数字はMT測点番号。(縦横比 1:1)

焼石岳測線の比抵抗断面と本震・余震の震源分布。上部の数字はMT測点番号。(縦横比 1:1)

鳴子測線の比抵抗断面と本震・余震の震源分布。上部の数字はMT測点番号。(縦横比 1:1)

文献

三品正明(2006),火山フロント近傍の地殻深部低周波地震発生域の比抵抗構造,基盤研究(C)研究成果報告書,1-56.